怠惰な猫の戯言

気紛れで、絵を描き、小説を書き、日常を話す。

101回目を生きる少年

 何時だったか。ジョン・タイターという自称『タイムトラベラー』が某国のネット掲示板に、自分の世界の出来事を書き込んでいったらしい。

 だが、俺は知っている。

 彼が書き込んだ事の何が起こり、何が起こらないかを。

 何故なら、俺は100回もこの世界を見てきたのだから。

 

「私は  。よろしくね」

 彼女からすれば、俺にむかって最初で最後の自己紹介。

「よろしく。俺は  

 だけど俺は、彼女に対して101回目の自己紹介。

 そして、これからも続けていく自己紹介。

 きっと、まだ延々と繰り返されるであろう人生でも。

 彼女と過ごす、人生だろうから。

 

「私はお菓子が好きなんだ。甘いお菓子」

 知っている。

 彼女と何度も人生を歩んできたのだから。

 そして、この人生も彼女と過ごしたい。

 

 俺は、この世界をしっている。

 100回もこの世界で生きてきた。

 今は101回目の人生を生きている。
 
    *
 
あとがき
 誕生がスタート、死がゴールだとしたら。ゴールすればまたスタートに戻される。そんな感じに人生を繰り返す少年の話。
 本当はこのSS、連載しようと思ってるSSの途中で外伝っぽく入れようと思ってたんですよ。
 しかし全く連載の方のSSが書けないんで、出来上がっちゃったこっちを投下。
 おいおい連載SSも投下出来れば、この少年と彼女が誰か分かると思います。
 連載SSが投下できれば……。